築50年の我が家に、妻と母親と3人で暮らしています。母は来年100歳を迎えますが、一つひとつの動作はゆっくりではあるものの、身の回りのことはちゃんと自分ででき、おかげさまで元気に過ごしています。ただ、少しだけ困っていたのは、トイレのこと。母はトイレに時間がかかるため、私たちがトイレに行くのと重なる場合が多かったのです。最近の住宅には1階と2階のそれぞれにトイレがついていることが多いそうですが、うちにはトイレが1つしかないため、トイレが空いていないと我慢して待たなくてはなりませんでした。また、妻が茶道の師範で、家の一角にお茶室も設けてあるため、来客も割と多いものですから、お客様のことも考えてトイレをもう１か所新設することにしました。
 
でも、家の中にトイレを新たに設けるとなると、間取りを変更して改修工事をしなくてはなりません。そうなると、工事期間中は高齢の母にも負担がかかると思い、新しいトイレは駐車場の奥に屋外用として設けることにしました。うちはもともと農家をしていて、今でも畑仕事や庭の手入れなど、屋外で作業することが多いので、「外にトイレがあると便利だろうな」と前々から思っていたため、好都合でした。

リフォームの工事は、これまでにもカーポートの設置や母の部屋の模様替えなど、リフォームで何度かお世話になった遠鉄のリフォームさんにお願いすることにしました。遠鉄のリフォームさんはいつもとても親切で、工事もしっかりとやってくださるので、他社はまったく検討しませんでした。
 
今回は屋外トイレということで、建物の基礎や躯体、外壁、屋根、水道工事、設備工事、内装工事と、まるで小さな一軒家を建てるかのように色々な工事が必要でした。広さは1坪で、和装のお客様がみえたときにもゆったり使ってもらえるように、スペースにゆとりを持たせました。屋根はガルバリウム鋼板で、壁はサイディング仕上げを選択。トイレの入り口が丸見えなのは抵抗があるので、ドアの前に格子のフェンスを設置しました。屋外灯はセンサー付きのタイプを選んだので、夜間も便利です。

一方、トイレの内部は床にフロアタイルを敷き、壁紙や窓の位置、トイレットペーパーの収納棚なども一つ一つ吟味して選んでいきました。便器もTOTOのショールームに見にいって、実物を確かめてから決めました。特にこだわったのは、手洗いコーナーです。お客様がカウンターに手荷物を置いて手を洗えるように、ベッセル型の手洗いボウルをできるだけ片方に寄せて設置してもらいました。壁にはコートなどの外着をかけるフックも設けてあります。さらに、ドアを開けるといきなり正面に鏡があることに抵抗を感じたので、鏡の位置をサイドの壁側にしたのもこだわりの1つです。こうして自分たちの要望を遠鉄のリフォームさんにこと細かく伝えると、それを何から何まで叶えてもらえました。

工事は実質１か月ちょっとかかりましたが、担当者さんはもちろんのこと、業者さんもみんな良い方ばかりで、仕事もとても丁寧でした。完成後の屋外トイレは期待以上の仕上がりで、見た目も使い勝手も大満足です。

格子のフェンスを付けたおかげで高級感と趣きが増し、大正解でした。開口部を二方向に確保したので、夏は窓を開けておけば風通しが良くなりそうです。トイレは土足で入れるようにしてあるのですが、床がフロアタイルなので掃除が楽にできます。家の勝手口からトイレまでの動線上は、物干し場とカーポートの屋根がついているのですが、物干場とカーポートの屋根の段差の部分から雨が降り込むため、遠鉄のリフォームさんに相談したところ、段差をガードするパネルの設置工事もしてくれました。細かい部分まで気を配り、至れり尽くせりの対応に感謝しています。
 
トイレ工事とはいえ、まるで一軒家を新築するときのように、1つ一つの設備や素材や色を選んだりしながら「つくる過程」を楽しむことができました。完成後は、トイレに行きたいときにすぐ行けるし、来客時にもお客様に気持ちよくトイレを使っていただけるので、本当に工事をして良かったです。これから冬の寒さや夏の暑さを実際に体験してみて、必要ならエアコンも設置しようと思っています。