古民家をリフォームすることで、風情のある快適な住まいを実現できます。しかし古民家リフォームを実現するにあたって「どのような方法があるの？」「費用や利用できる補助金は？」など気になっていませんか？

そこでこの記事では、古民家リフォームの種類やそれぞれの費用相場、利用できる補助金制度などをご紹介します。古民家リフォームの魅力や失敗しないための注意点なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。

古民家リフォームには、次の4つの種類があります。

・一般的なリフォーム
・半解体再生リフォーム
・全解体再生リフォーム
・移築再生リフォーム

それぞれの詳しい内容と費用相場を見ていきましょう。

費用相場：約200万〜500万円

一般的なリフォームとは、古民家の大部分を残し、水回りや壁紙、床材などの内装のみを改修する工事です。古民家の大部分をそのまま再利用するため、リフォーム費用は200〜500万円程度で済みます。

古民家の魅力をしっかり残せるというメリットがありますが、断熱面や耐震面、段差の解消など、建物の構造的な問題は一般的なリフォームだけでは解決が難しいのがデメリットです。

長期的に住むのであれば、一般的なリフォームに断熱リフォームや耐震リフォームを追加することを検討しましょう。

費用相場：約500万〜1,500万円

柱や梁など、家の躯体部分を部分のみを残して行われる古民家リフォームのことを、半解体再生リフォームといいます。いわゆる「スケルトンリフォーム」に該当するものです。

古民家で使用されている躯体部分の柱や梁などは、自然な歪みや傷なども残されており、豊かな風合いを感じられます。半解体再生リフォームをすることで、古さと新しさが同居する豊かな味わいを感じる家になるでしょう。

費用相場：約1,500万〜3,000万円前後

全解体再生リフォームとは、柱や梁などの構造部分も全て解体し、家をほぼ一からつくり直すリフォームのことです。これらの構造部分のうち、再利用できる部分は洗浄し、新しい家の一部として活用することもあります。土台部分に劣化が見られるようであれば、補強工事を行います。

ほとんど新築同様の家づくりをするため、全解体再生リフォームの費用は、その他の古民家リフォームと比べると高額になりがちです。しかし家の構造に関わる躯体部分も新しい物になることから、長期的に住める家になります。

全解体再生リフォームでは、古民家の扉や障子、欄間（らんま）などを再利用することも可能です。これらを活用することで、経年変化が生み出す味わいと新築に劣らない快適性の両方を実現できる家になります。

費用相場：約2,000万円以上

移築再生リフォームとは、古民家を全て解体し、再利用できる部分を持ち出して、別の土地に新しく家を建てる方法のことです。古民家の良さを活かしたいけれど、土台の劣化具合が深刻だったり、暮らしに不便な土地に古民家があったりする場合に用いられる工法です。

年月を経た家の躯体部分を再利用し、安全で利便性の高い土地に家を建てることで、古民家の風情を残しながら快適な暮らしを実現できます。

ただし、家を新たに建てる土地のほかに、古民家の解体代と部材の搬入費などが発生するため、リフォーム費用はその他のリフォーム方法に比べて高額になりがちです。

元の家の部材に思い入れが残されていたり、価値が高いものであったりなど、特別な理由がなければ、新しい土地に「古民家風の家」を建てたほうが、費用を抑えられるかもしれません。

近年は、DIYでのリフォームが注目されています。しかし、経年劣化が著しい古民家を、DIYのみでリフォームするのは、おすすめしません。

古民家は床や壁などの傷みがひどく、リフォーム中に怪我や事故が生じる可能性があります。また、古民家リフォームには建物の構造に関する、専門的な知識も必要です。電気系統などは資格がないと工事できない部分もあります。

このように、DIYで古民家をリフォームすることは安全性に不安が残り、知識や技術不足によって家づくりが思うように進まないことも考えられるでしょう。最終的にプロの手が必要になる可能性が高いため、古民家リフォームは専門の会社に依頼するのをおすすめします。

ドアや家具の取っ手部分の交換など、家のつくりに直接関わらない部分であれば、リフォーム後にDIYで手を加えるのもいいでしょう。

古民家リフォームには、さまざまな魅力があります。その内容を見ていきましょう。

新築の場合、成形された木材をメインに家をつくります。古民家の場合、柱や梁などは歪んでいたり傷がついていたりすることがあり、自然の風合いが多く残されています。

また、欄間（らんま）や床の間など、古民家には日本の伝統的な建築要素が残されていることも多く、これらを活かしたリフォームをすることで、昔ながらの風情を持ちながら、機能的な家づくりができます。

住まいにかかる固定資産税は、その家や土地の価値によって金額を判断します。新築の場合、建物の設備の新しさから価値を高く評価され、固定資産税は高額になります。

一方で古民家をリフォームした場合、建物本来の古さが評価に反映されるため、新築に比べて固定資産税を抑えられます。

交通の便が良く商業施設が充実しているエリアにある物件は高額です。

しかし古民家は築年数が経過しているため、人気エリアにある物件でも新築に比べると安価で購入できるケースが多くあります。人気エリアの古民家を購入し、リフォームを行うことで、立地の良さと古民家の魅力を兼ね備えた、理想的な住まいを手に入れられます。

自治体によっては、古民家リフォームの支援を行い、税制優遇措置を設けているところもあります。これは、建材を再利用して古民家をリフォームすることで、木材の伐採や加工による自然破壊を抑えられ、環境保護につながるためです。

また、古民家リフォームによって新しく人が移り住み人口が増えることで、街に活気や明るさが生まれるきっかけになります。

古民家リフォームで失敗しないためには、次の注意点を押さえることが大切です。

古い建物は断熱性が低く、冬は寒く夏は暑いなどの問題が発生しがちです。また、雨漏りが生じていることも多く、屋根や壁の改修が必要になります。

加えて、現代の基準に合わせた耐震性能を備えていることも大切です。

住まいの機能性と安全性を優先しながら古民家をリフォームすることで、風情と快適さだけでなく、住まいの安全性も実現できます。

古民家は段差が多いことから、転倒のリスクが生じます。また、トイレが和式だったりお風呂の床が滑りやすかったりと、高齢の方の住まいとしては利便性と安全性に欠けているかもしれません。

古民家をリフォームして長く住み続けるためには、バリアフリー化も検討しましょう。快適で使いやすく、怪我や事故のリスクが少ない住まいなら、年齢を重ねても安心して暮らせます。

不動産会社に物件探しから手伝ってもらうことで、一般の情報サイトには掲載されていない物件や、リフォーム向きの物件などが見つかりやすくなります。また、リフォーム会社と一緒に物件の見学をすることで、改修が必要な部分や残せる箇所などを、専門的な知見でアドバイスしてもらえるでしょう。

とくに、物件探しからリフォームまでを一貫して依頼できる不動産会社であれば、古民家リフォームの負担を減らし、スムーズな家づくりを実現できるはずです。

古民家は断熱性や安全性に不安があることから、住まいの機能性を向上するリフォームに多額の費用が必要になります。

また、古民家は工事開始後に、重大な欠陥が見つかるケースもあります。その場合、追加工事を行わなくてはなりません。

このように古民家リフォームは多くの費用が必要になる可能性があるため、予算計画は余裕を持って立てることが大切です。

古民家リフォームには4つの種類があり、それぞれ特徴や費用相場などが異なります。補助金を活用することで、費用を抑えながら古民家リフォームを実現できるでしょう。

また、古民家リフォームをすることで風情のある家づくりや、固定資産税の節約、人気エリアで費用を抑えた家づくりができるといったメリットも得られます。

ぜひ本記事を参考にして、理想の古民家リフォームを実現し、味わいと機能性が両立した住まいを手に入れましょう。

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