窓を断熱リフォームすることで、部屋の温度を快適な状態に保てます。
しかし窓の断熱リフォームにかかる費用や、どれほどの効果が得られるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、窓の断熱リフォームに関する費用やメリット、注意点などについてご紹介します。

窓の断熱性能が向上することで、暮らしがより豊かになります。断熱リフォーム工事を迷っている方は、ぜひ記事を参考にし、窓の断熱リフォームを検討してみましょう。

窓の断熱リフォームの費用相場は、工事内容によって異なります。
以下の5つの断熱工事の費用相場を見ていきましょう。

・内窓設置
・窓ガラスの交換
・サッシ交換
・窓全体の交換
・シャッターの設置

費用相場：8万円～15万円前後

内窓とは、既存の窓の内側に取り付けられた、もう1つの窓のことであり、二重窓と呼ばれることもあります。

内窓は設置費用が安価で工事も1〜2時間ほどで済む手軽さから、とても人気があるリフォーム方法です。
窓やドアなどの共用部のリフォームが認められていないマンションでも、部屋の内側に取り付ける内窓であれば、リフォームできます。

窓が二重になることで防音や防犯対策としても役立つため、おすすめの工法です。

費用相場：5万円～15万円前後

窓ガラスが1枚で構成されている単一ガラス窓の場合は、窓ガラスが2枚組の「複層ガラス」や3枚組の「トリプルガラス」などに変えることで、断熱性の向上が実現できるでしょう。

複層ガラスやトリプルガラスは結露の発生を抑える効果もあるため、カーテンや壁紙のカビ対策にもつながります。

費用相場：5万円～15万円前後

日本の住宅でもっとも普及率が高いのは、アルミサッシです。
アルミサッシは安価で商品のラインナップも豊富ですが、結露ができやすく断熱性の低さが懸念されます。

雪国である北海道や寒さが厳しい国の一般家庭では「樹脂製サッシ」が多く採用されています。
樹脂製サッシは、一般的なアルミサッシよりも高価ですが熱を通しにくいのが特徴です。
また、サッシ自体の温度変化が少ないため、サッシ部分の結露の発生も防げます。

高い断熱性に加えてインテリア性も重視するのであれば、木製サッシを視野に入れてみましょう。
木製サッシは樹脂製と同じく断熱性が高い点が魅力です。また、窓枠が木目になることから、部屋のインテリアに温かみが増します。

費用相場：10万円～50万円前後

サッシ・窓ガラスの両方を交換する場合は「カバー工法」と「はつり工法」の2通りの工事方法があります。

カバー工法とは、既存の窓枠の上から新しい窓枠を取り付ける方法です。数時間〜半日ほどで新しい窓の設置ができ、工事費用も抑えられます。
しかし既存の窓枠の内側に新しい窓枠を取り付けることから、開口部が少し小さくなります。

一方で、はつり工法とは既存の窓枠を取り除き、新規で窓を取り付ける方法です。外壁工事が伴うため、工期がかかり費用も高額になります。
窓のサイズを変えたい場合やカバー工法ができない場合などに用いられることが多い工法です。

費用相場：10万円〜60万円前後

シャッターには手動と電動の2種類があります。

手動タイプは価格が安価ですが、開け閉めに手間が伴います。また、開閉時に窓を開けなくてはならないため、外の空気が部屋に入ってしまう点もデメリットです。

電動タイプはボタンひとつで昇降でき、シャッターを操作する際に、窓を開閉する必要もありません。しかし費用は手動に比べて高額です。

どちらのタイプであっても、シャッターは窓の断熱性を向上させるのに役立つ存在です。
予算や設置場所、シャッターを開閉する頻度などを視野に入れた上で、適したタイプを採用しましょう。

窓の断熱対策は、内容によってはDIYでも可能です。

たとえば、窓に断熱シートやプラダンなどを貼る断熱方法であれば、DIYで実現できます。厚手のカーテンを取り付けたり断熱ボードを立てかけたりするのも、簡単にできる窓の断熱方法といえるでしょう。

しかしDIYで実現できる窓の断熱は、リフォームと比べると、それほど高い効果は期待できません。また、DIYの内容によっては部屋の美観を損ねることも考えられます。

窓の断熱対策として十分な効果を得たいのであれば、DIYではなくリフォーム会社に依頼するのをおすすめします。

窓の断熱リフォームをすることで、さまざまな効果を得られます。

窓メーカーである「YKK AP」が算出した計算によると、熱の50〜74％が窓から出入りするとされています。夏は熱い外気が窓から入り、冬は暖かい空気の多くが窓から抜けてしまうのです。

窓の断熱性を高めることで空気が出入りできなくなり、室内の温度を快適な状態に保てます。その結果、エアコンの稼動効率も上がり、光熱費の削減が期待できるでしょう。

参考：YKK AP公式サイト「暑さや寒さをやわらげる“断熱窓”」

家の中に大きな寒暖差があると、ヒートショックを引き起こす可能性があります。

ヒートショックとは、寒暖差に体が耐えられず引き起こされる心疾患のことです。高齢者の方ほど症状が出やすく、お風呂や脱衣所など寒暖差の大きい場所で発症しやすいとされています。

窓の断熱性を高めることで部屋ごとの寒暖差を減少できます。健康的な暮らしを維持するために、寒いと感じる場所には窓の断熱リフォームを積極的に取り入れましょう。

結露は、外気の影響を受けた冷たい窓に、室内の暖かな空気が触れることで発生します。

断熱リフォームをすることで窓が外気の影響を受けにくくなれば、部屋と外に大きな温度差があっても、結露の発生を防げます。

窓周りのカビに悩む方や、結露の除去に手間を感じる方は、窓の断熱リフォームを検討してみましょう。

窓の断熱リフォームと聞くと、寒さ対策にのみ効果があると思われがちです。

しかし窓の断熱リフォームは室内の快適な空気を外に逃がさず、外気の空気の侵入を拒む役割があるため、夏の暑さ対策にもつながります。また、冷暖房効率も高まるため、季節を問わず快適な空間づくりに役立ちます。

夏も冬も、室内の環境を快適に保てることから、心地良い暮らしを求める方には窓の断熱リフォームがおすすめです。

窓の断熱リフォームをする際は、事前に理解しておくべき注意点があります。
ここでは、窓の断熱リフォーム時の注意点をご紹介します。

マンションの場合、窓やドアなどの開口部は共有スペースとして定められていることがほとんどです。そのため管理組合の許可を得ないと、窓の断熱リフォームの工事は、基本的にはできません。

しかし、室内側に窓を取り付ける内窓設置の工事や、共有部に該当しない窓ガラスの交換などは、マンションでも実施できるケースが多くあります。
加えて、管理組合の規約によっては、共有スペースであっても条件付きでリフォーム工事を認めている例もあります。

マンションによってできる工事内容は異なるため、窓の断熱リフォームを検討したい方は、まずは管理規約を確認の上、管理組合に相談をしてみましょう。

窓の断熱リフォームをすることで、部屋の温度を快適な状態に保てます。

しかし窓リフォームを実施していない部屋は、寒さや暑さが気になる状態のままです。部屋によって寒暖差が生じることで、ヒートショックを引き起こしたり風邪をひきやすくなったりなど健康面に悪影響を与える可能性があります。

また、快適な部屋に家族が集中してしまい、プライバシーを保ちにくくなることも考えられるでしょう。

窓の断熱リフォームをする際は、部屋ごとの寒暖差が生じることを踏まえ、予算とのバランスを見ながら必要な窓にリフォーム工事をおこないましょう。

窓の断熱リフォームは、部屋の熱が逃げたり外気が入ってきたりするのを防ぐのに効果的です。室内の温度を快適に保てるため、心地良い暮らしが実現でき、健康面にも良い影響を与えます。

住まいの暑さ・寒さに悩んでいる方は、窓の断熱リフォームで、心地良い暮らしを実現しましょう。

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