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V2Hとは?メリットやデメリット、導入にかかる費用を解説!

「電気代の節約になる」「災害時に重宝する」など、近年注目されているV2Hはご存じでしょうか?

V2Hは、電気自動車などのバッテリーを家庭用電源として活用できるシステムですが、詳しい内容はわからない人が多いかもしれません。

この記事ではV2Hの仕組みや、設置に伴うメリット・デメリットについて解説します。
導入費用や補助金制度についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

V2Hとは?

V2Hとは、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)などに搭載されているバッテリーを、家庭用電源として使えるシステムです。
V2Hは「家→車」への一方向充電だけではなく「車→家」への電力供給も可能なため、EVのバッテリーを有効活用できるというメリットがあります。

EVやPHVのバッテリーに蓄積されている電気は「直流」ですが、一般家庭で使用する電気は「交流」です。
V2Hは、双方向で通電できるようにするための「電流変換」が主な役割であり、V2H機器本体に蓄電機能はありません。

EV車の普及率

V2Hが注目を集めている理由のひとつに、EV車の普及が挙げられます。
脱炭素社会の実現へ向けて、現在世界中で進められているのが「ガソリン車から電気自動車への移行」です。
日本ではまだガソリン車が主流で、2020年の新車販売台数におけるEV車が占める割合は約0.6%とそれほど高くはありません。

しかし「2050年カーボンニュートラルに伴う成長グリーン戦略」の中で、日本は「2035年までに乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう包括的な措置を講じる」と示しています。

V2Hは環境にやさしいだけではなく、家計にもやさしいシステムとして注目されています。
今後EV車が普及するにつれて、V2Hを導入する家庭も増えると予想されます。

V2H導入のメリット

V2Hを導入すると、次のようなメリットがあります。

メリット①EV・PHVの充電時間の短縮

V2H機器の充電速度は、家庭用200Vコンセントの倍速です。
充電時間が従来の半分で済むため「時間不足で十分な電力を蓄えられないかも」という心配がなくなります。

メリット②災害時の電気の確保

V2H機器があれば、車のバッテリーを蓄電池として使えます。
一般的な家庭用蓄電池の容量は約4~16kWhですが、EVやPHVのバッテリー容量は約10~60kWhと大容量です。
車種にもよりますが、停電時でも3~4日間はV2Hによる家庭への電力供給が可能です。

メリット③電気代の削減

V2Hの導入では、電気代の削減も魅力のひとつです。
電気代が安い深夜電力で充電をし、電気の使用量が多い日中にEVから家に給電すれば電気代のコストカットが期待できます。

メリット④太陽光発電の余剰電力を効率的に活用

太陽光発電を導入していれば、余剰電力をEVやPHVの充電に回せます。
これまで余剰電力を売電していた人も、FIT期間が終了すれば買取価格は大幅に減少してしまいます。
太陽光発電とV2Hを併用すれば、余った電力を効率的に活用できます。

メリット⑤地球環境に優しい

V2Hは太陽光発電システムと組み合わせることで、地球環境の改善に貢献できます。

日本の発電エネルギーのメインは火力発電です。
火力発電で生まれた電気でも、電気自動車は走行できます。
しかし火力発電は、エネルギー生成をする際に多量のCO2を排出します。

太陽光発電は、火力発電を使用しないクリーンなエネルギーです。
家庭で貯めた太陽光エネルギーをV2Hを通して車に活用することで、環境への負担を減らせます。

V2H導入のデメリット

続いては、V2H導入のデメリットです。

デメリット①設置場所が限られる

EVへの充電は有線のため、V2H機器は車と家の近くに設置しなければなりません。
そのため「家と駐車場が離れている」「集合住宅に住んでいる」などの場合は、V2Hの導入は難しいでしょう。

デメリット②導入費用がかかる

V2Hシステムの導入には、まとまった初期費用が必要です。
メーカーや機器の性能にもよりますが、V2Hシステム導入にかかる費用の目安は、機器代・工事代込みで100万円前後になります。

V2Hの導入費用については、次で詳しく紹介します。

V2H導入の費用

V2H導入費の目安は、機器の本体価格が約90~100万円、設置費用が約30~40万円で総額120~140万円程度です。
V2H機器は「機種のタイプ」や「停電時の電力供給の方法」により金額が変わります。

機種のタイプ

V2H機器には「系統連系型」と「非系統連系型」の2タイプがあります。

系統連系型は「電力会社・太陽光発電・EVやPHV」のいずれの電気も、すべて同時に使用できます。
一方、非系統連系型の機器は、使える電気系統が1つに限定されます。
そのためEVから家へ給電している間は、電力会社などからの電気供給が受けられません。

停電時の電力供給の方法

V2H機器には「特定負荷型」と「全負荷型」があります。

特定負荷型は、停電時に使う電気回路を予め特定する必要があります。
そのため停電時には、冷蔵庫や照明機器は使えるが、エアコンやIH調理器は使えないといったケースが出てきます。

一方全負荷型は、停電時でも家中のすべての電気回路に給電可能です。
停電中も、いつもと同じように家の電気を使いたい人におすすめです。

V2Hの選び方

どのタイプのV2Hがライフスタイルに合っているのか、迷ってしまうかもしれません。
V2H導入を検討の際は、機種・電力供給の方法・定格出力・操作方法などをチェックすると良いでしょう。

機種タイプで選ぶ

V2Hは「系統連系型」と「非系統連系型」の2タイプに分けられます。

系統連系型であれば「電気自動車からの電力」「太陽光パネルから貯めた電力」「電力会社から供給される電力」の3つのエネルギーを同時に使用可能です。

非系統連系型であれば、電気自動車から電気が供給されている間、他2つの電力は使えません。
本体価格は非系統連系型のほうが安価です。

使用する電気量が少なく、車の使用も多くない家庭であれば、非系統連系型でも困ることは少ないでしょう。
しかしV2H機器からだけでは電力不足になったり、車のバッテリー消費量に不安を抱いたりする場合は、系統連系型を選んだほうが安心です。

非常時の電力供給の方法で選ぶ

停電時におけるV2Hの電力供給の方法は2種類あります。

特定の家電のみに電力を送る「特定不可型タイプ」は、停電時に使用できない家電がでてきます。
しかし特定不可型タイプは、バッテリーの消費量を抑えることが可能です。

家中の家電に電力供給ができる「全負荷タイプ」なら、停電時でも全ての家電を使用できるので困ることは少ないでしょう。
その分、全負荷タイプのバッテリーの消費量は、特定不可型よりも多くなります。
また、本体費用も高額になる傾向です。

停電時の過ごし方とコストパフォーマンスなどのバランスを見て、適したほうを選択しましょう。

定格出力で選ぶ

定格出力とは、1度に出力される電気量のことです。
現在のV2Hの多くは3,000〜6,000wの定格出力を備えています。

数字が大きいほど、1度に多くの電力が使用可能です。
家電の使用頻度が多い家庭なら、定格出力の数が多いタイプを選ぶとよいでしょう。

しかし多くの電力を使用すれば、自動車のバッテリー残量もすぐに減ってしまうため注意が必要です。

操作方法で選ぶ

機器によっては、スマホアプリで操作をできるタイプもあります。
V2Hの操作をおこなう機会は多くありませんが、停電時には手動で充電・供給の設定をしなくてはならない機種もあります。
充電・供給の設定を気軽におこないたい方は、スマホアプリで操作ができるタイプがおすすめです。

V2H設置の流れ

V2Hの導入には、設置を請け負う施工会社の現場調査が必要です。
設置場所や配線経路などを確認し、条件が整っているかを確認します。

その後、設置に問題がなければ見積もりを作成します。
見積もり内容に問題がなければ契約が締結され、V2H設置の申請を行います。
申請は施工業者が代行するケースが一般的です。

申請が通れば、いよいよ工事がスタートです。
設置が完了したあと、配線工事も一緒に行います。
漏電などの最終チェックや動作確認が終われば、V2Hを使用できます。

V2H導入時に利用できる補助金制度【2023年版】

ここでは、V2H導入に利用できる補助金制度について紹介します。

クリーンエネルギー自動車導入促進補助金

クリーンエネルギー自動車導入促進補助金は、2022年12月2日に発表された補助金制度です。
補助の対象は、「個人」「法人」「地方自治体」の3者です。

自家用車として電気自動車を購入し、令和4年11月8日〜令和5年2月17日までの間に、新車新規登録(登録車)か新車新規検査届出(軽自動車)をした車が補助対象となります。

クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金

クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金では、下記を対象に補助金が支払われます。

・充電設備(個人宅設置は対象外)やV2H充放電設備の購入費及び工事費の一部
・水素ステーションの整備費及び運営費の一部
・外部給電器の購入費の一部

補助金の申請は、事業者を介しておこなわれます。
機器の購入前・工事後に申請をしても補助金はおりないため、注意をしましょう。

※「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」及び「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」の申請受付の開始は、本事業を実施する民間団体等の決定後となるため、2022年12月22日時点では公表されていません。現時点では、2022年度末(2023年3月末)までに申請受付開始となる見込みです。

自治体からの補助金

お住まいの自治体によっては、V2Hの導入が補助の対象となっているところもあります。

例えば、静岡県浜松市ではV2H対応型充電設備の導入に対して補助金を支給する「創エネ・省エネ・蓄エネ型住宅推進事業費補助金」を実施しています(2022年12月22日現在)。

詳細は各自治体の窓口に確認してみましょう。

V2Hに対応している車種

V2Hに対応している車種は限られます。
電気自動車であってもV2Hは未対応の可能性もあるため、あらかじめ対応車種を確認しておきましょう。

下記にV2Hに対応している主要な車種の一部を掲載します。
これからV2Hと対応車の導入を考えている方は、参考にしてください。

(2022年12月時点でのV2H対応車種)
トヨタの対応車種 ・bZ4X
・プリウスPHV(2019年5月以降モデル)
日産の対応車種 ・リーフ
・リーフe+
・e-NV200
・ARIYA
・サクラ
・e-NV200
三菱の対応車種 ・eKクロスEV
・エクリプスクロスPHEV
・アウトランダーPHEV
・i-MiEV(2010年以降のモデル)
・ミニキャブ
・ミーブ
マツダの対応車種 ・MX-30EVMODEL
HONDAの対応車種 ・Honda e
スバルの対応車種 ・ソルテラ

まとめ

V2Hは、EVやPHVのバッテリーを家庭用電源として使えるシステムです。
V2Hを導入すると多くのメリットがある一方で、設置場所や費用に関連するデメリットもあります。

V2Hの導入に当たっては、費用負担を軽減するための補助金制度が設けられています。
V2H導入についてお考えなら、実績豊富な信頼できる会社に相談しましょう。
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